裁判の傍聴に行ってきました。
学生の頃に1度だけ傍聴したっきり、今回が2回目の傍聴初心者です。
法律関係のお仕事に転職できたらなぁと思ったので、
弁護士の友人に、いつ裁判があるのか聞きまして、見に行った次第であります。
裁判所は、大阪地裁です。
民事裁判を傍聴しました。
平日の午前中。
もう9時を過ぎていますので、裁判所の職員の方の出勤時間は過ぎています。
なので、
この時間に裁判所の周りを歩いているのは、
弁護士さんか、はたまた証言に呼ばれた人か…
ともかく、
誰かの人生の岐路に関わっている人なんだなぁと思うと、
恐れ多くて迂闊に道も聞けませんでした。
そうです、迷子になりました。
入り口がどこなのかわからなくて…
とりあえず、前を行くスーツの人についていくと、
なんだか通用口のような狭い入り口から入館したので、
「あ、この人は通の人だわ」と察知して、別の人に当たりをつけるわたし。
初心者は奇を衒ってはいけませんからね。
まずは基本を抑えないと!
別の道から来たおばさまに付いて行くと、大きな門が見えてきました。
そこが正門のようでしたので、何食わぬ顔で、もちろん知っていましたよという態で門をくぐるわたし。
特に警備の人に呼び止められたりはしませんでした。
友人に何時からどのお部屋で裁判があるのかあらかじめ聞いていたので、
その階までエレベーターであがります。
入り口には、【傍聴の人はこちら】のような看板はなかったので
(たぶん。私は見つけられませんでした。)
知らない人は戸惑うだろうなぁと思いました。
まぁ、最近の人は何でも検索してから行くから大丈夫だと思いますが。
裁判所のHPにちゃんとどうすればいいか書いてくれてますからね。
世の中には
傍聴マニアの人もいるらしく、
毎日のように傍聴に来る常連さんがいると、裁判所事務官の友人が言っていました。
ブログのネタにでもしているのでしょうか?
色んな趣味の方がいらっしゃいますね。
目的の階に着くと、廊下が左右にのびていて、いくつもドアがあります。
それぞれが法廷になっているようです。
法廷といっても、ドアを見る感じでは、中は普通の会議室なのでは、というような佇まいです。
開廷の10分前に到着したのですが、
まだお部屋が開いていない。
部屋の前の椅子には弁護士さんと、その依頼者らしきお方。
何やらこの後の裁判の流れについておさらいされているようです。
私は少し離れて座ります。
友人はまだのようです。
来たとしても知らんぷりをするつもりですから、
(依頼者が気を悪くしたら申し訳ないですからね。)
いつ来ようがなんでもかまわないのですが。
結局、本当にギリギリに現れました。(それが普通だよと言っていましたが。)
待つのがいたたまれない気の弱い人は、ギリギリにくれば良いと思います。
時間ぴったりに、裁判所の方がお部屋の鍵をあけてくれて、
外で待っていたみんなでいっせいに入室。
傍聴席には私ひとり。
私としてはなんだか気まずいですが、
裁判で傍聴人がいるのは普通のことだから全然気にしなくて良いと
前もって教えてもらっていたので、心を強く持って座っていました。
マスクをしていてよかったです。
マスクがなかったら、心細そうな顔がさらけ出されてしまっていたところでした。
心配しなくても、
別に誰からも話しかけられたりしませんし、
どんな理由で傍聴している、とか記入させられたりもしませんし、
いつ退室してもかまいません。
(私は開廷から居ましたが、入室もいつしても大丈夫です。)
ただ、証言する人が「嘘をつきません」と誓いをするときだけ、
法廷にいる人は全員起立することになっていますので、
その時に
立つ必要があるだけです。
私は起立しないといけないかどうかなんてすっかり忘れていたので、
裁判所の人が言う「みなさんご起立ください」の
“みなさん”に自分も含まれているのかとっても悩みました…
傍聴席には私一人。
もし起立して、傍聴人は別に立たなくても良いという場面だったら後で友人に爆笑されてしまうこと必至です。
もし起立しなくて、裁判官にあなた立ってくださいと言われてしまったら赤面してその後の裁判なんて全く頭に入ってこないこと必至です。
どうする!?どうする!?
立っているようにも、座っているようにも見える絶妙の中腰をかますか!?
(どんなんや)
そのときです!!
何か、本当に、裁判官と弁護士から、こちらを気にしているような空気
(まさに、空気としか言い用がない)を感じたのです!!
起立するわたし!!
2択で正解を勝ち取る!!
絶妙に空気を読んだんです!!
そんなこんなで無事に宣誓は終了しました。
ほんとうに危ないところだった…。
もう、何事にも先達はあらまほしけれです。
その日は、午前中からお昼休憩を挟んで夕方まで、
丸一日その事件の傍聴をしていました。
なかなか疲れました…。
色んな人の事件への証言が聞けましたが、
「あ、こんなに人って認識に違いがあるんだ」と愕然としました。
みんな、ちゃんと嘘をつきませんと宣言してからお話されるので、
この人は本当のことを言っているんだと思いながら聞くのですが、
次に出てきた証人はさっきの証人とちょっと違うことを話し始めるのです。
私には、真実は見えない…。
お昼は近くの
鰻屋 志津可さんへ行ってきました。
おいしいと評判のようです。
ふかふかのうな重をいただきました。
後で友人に面白いお話が聞けましたので、以下はそのメモ。
・証拠の確認について
相手側弁護士が証拠を証人に見せているときは、
その証拠に何か指示が書かれているといけないので、
(自分の手元にも相手方弁護士が示している証拠があるけれど)何を見せているのか確認しに行く。
傍聴に行っていないとイメージしにくいかもしれませんが、
真ん中に証人、左右にそれぞれの弁護士さんがいるとイメージしてください。
片側の弁護士さんが、真ん中に出てきて、証人の人に証拠書類を見せて証言を引き出す場面が多々あります。
そういう時「乙何号証を示します」とか宣言するのですが、その証拠書類をちゃんともらっているはずの反対側の弁護士さんも一緒に真ん中の証人のところに出てきて、仲良く3人で証拠を見ていることがよくあります。
私ははじめ、友人が証拠書類を忘れて持ってきていないのかと思ってハラハラしながら見ていたのですが、ちゃんと理由あっての行動だったようです。
・裁判官のローブについて
裁判所書記官のローブは、裁判官のものに比べて安い物だそうです。
裁判官のは
シルク。上等です。
穴が空いても、みんな意外と新しいものを新調せずにそのまま着ているとのこと。
・写真は撮ってはいけません。
メモなら可。
法学部生なら憲法で
レペタ訴訟を習うでしょう。
・鉢巻はいけません。
たとえば、私が友人の応援として、友人の名前を書いた鉢巻をしていったらダメなの?と馬鹿な質問をしてみたところ、
明確に《ダメ》とのことでした。
ちゃんと裁判所のHPの注意事項、やってはいけないことの一覧に書いてありました。
アイドルの応援用でよくある顔写真が入ったうちわとかならセーフなのかな?
重ねて聞こうかと思いましたが(やるつもりは毛頭ないですよ。)、
あんまり法廷の秩序を乱すと、監置処分されちゃうよと言われました。
リーガルハイで古美門弁護士がされちゃってたやつですね。
今は監置処分される弁護士さんはほとんどいないらしいですが。
・びろーん
ニュースで「勝訴」とか「無罪」とか書いた紙を掲げているところを見たりしますよね。
あれは「びろーん」と呼ばれているそうです。
あーるくんのあれですね。
勝訴…民事
無罪…刑事 です。
弁護団で一番若い方がびろーんする担当に選ばれることが多いとか。
友人の同期の方もびろーんしていたそうです。
裁判所内でびろーんしたらいけないという決まりがあるので、
敷地内でびろーんしそうになると、警備の人が駆け寄ってきて止められると言っていました。
・弁護士バッジ
こんなやつですね。(拾い画)
ぴかぴかなほど新米の証拠なので、あえて財布などに入れてぴかぴか度を減らす人もいるとか。
私なら毎日ぴかぴかに磨いちゃいそうですけどね。逆なんですね。
自分の番号が入っているので、落としたら誰の物かわかるそうです。